「胸の中がざわついて、座っていられない」。不安焦燥状態は、この一言に集約されるような苦しさです。強い不安や恐怖が続くのに、じっとしているほど追い立てられる感じが強くなり、立ち上がる、歩き回る、同じことを繰り返し話す、もの…

現実には十分な根拠がないのに、本人のなかで強い確信として固定してしまう考えが、数か月から年単位で続く病気があります。それが妄想症(妄想性障害)です。いわゆる「思い込み」や「考えすぎ」とは異なり、周囲が事実を説明しても修正…

統合失調症の幻覚や妄想は、本人にとっては「単なる思い込み」ではなく、現実そのものとして迫ってくる体験です。自分の悪口が聞こえる、監視されている気がする、偶然のできごとが自分への合図に思える。周囲から見ると事実と合わない内…

無力妄想と敏感関係妄想は、どちらも日本の精神病理学で大切にされてきた表現です。現在の ICD-11 や DSM-5-TR の正式な独立診断名ではありませんが、妄想がどのような気分と気質のなかで育ち、どんな苦しさの中で強ま…

体感幻覚とは、実際にはそのような刺激がないにもかかわらず、体の内部や体の一部に、現実のことのような異常な感覚が生じる状態を指します。たとえば、「お腹の中で虫が動いている」「体内に電気が走る」「内臓がねじれている」「脳が溶…