横になっても落ち着かず、何度も寝返りを打つ。座っていられなくて、用もないのに立ち上がる。足だけが、勝手に動きたがっているように感じる。この落ち着かなさは、「不安が強くなったせいだ」「病気が悪くなったのだ」と受け取られがち…

「薬を飲み始めてから、体の動きがどこかおかしい」。診察室では、言葉に迷いながらこう話すかたが少なくありません。手がふるえる、体がこわばる、じっと座っていられない、口が勝手に動く。ひとつずつは大したことに思えません。この運…

「飲みすぎなのは分かっている。でも、やめられない」。アルコール依存症(アルコール使用障害)の中心には、この矛盾があります。分かっているのに止まらないのだから、意志が弱いのだろう。本人も家族も、たいていそう考えて責め始めま…

本稿は院長が学会発表・寄稿した原稿の再録です。統計値や制度の記述には執筆当時のものが含まれます。 精神疾患を生じた医師の受療行動と適切な治療 茅野分 藤井千代 村上雅昭 水野雅文 抄録: 背景: アメリカでは毎年約300…

お腹の中で虫が動いている。体の奥を電気が走る。内臓がねじれている。脳が溶けていく感じがする。言葉にすると、突飛に聞こえるかもしれません。けれども本人には、想像ではなく現実の感覚として迫ってきます。体感幻覚とは、実際には刺…