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“Risk Assessment”


“Risk Assessment” は「加害者」「被害者」が事件後も密接に関係する際、および事件の再発予防のため、必要・不可欠です。これは、精神科の構造化面接・評価と言ってもいいでしょう。ただし、加害行為についての評価のため、下記の項目について、詳細に聴取します。


・反社会性認知 ・反社会性行動 ・反社会性人格 ・反社会性関係などを有する方々は、当然ながら一般社会においても「適応」が問題視されています。次に、一見適応しているようでも、頻回な転職・引越などは「適応」を疑われる事項です。背景に、境界性・自己愛性・(受動)回避性人格などが想定されます。加害行為からは、家族のみ不快・境界性型暴力・反社会性型、と段階・分類されます。

加害者に寄り添いお話をよく聞くと(被害者に寄り添うのは当然として)、幼少期より家庭や学校などにて「抑圧」されていた「心的外傷」あり、自分の気持や考えを自由に表現できなかったことが多く認められます。また学業や課外活動における「成功体験」に乏しく、いわゆる「自己肯定感」や「自尊心」の低下を招いています。

この結果、青年期に至り、不安うつ状態に陥りやすく、それをまぎらわすため、飲酒・薬物に依存・乱用するようになります(最近は「自己治療仮説」という概念も提唱されています)。両者とも「酩酊」に陥るため、いわゆる「脱抑制」となり、日常では抑制されていた言動を呈するのです。


上記判断を総合し「RNR原則」に基づいた “Risk Management” を各施設や共同体にて行われます。「RNR原則」とは、再犯防止に寄与する処遇を行うため、対象者のRiskに応じ、改善可能な部分は、できる限り対象に合わせようという、人道的な考え方です。被害者には、加害者は悪魔のごとき存在でしょうが、上記のような加害者の生い立ちなどご理解いただけると「罪を憎んで人を憎まず」と考えていただくのが、まだに「人の道」ではないでしょうか。

Risk 原則Need 原則Resposibility 原則の3つより成立しています。
Risk 原則:再犯Riskが高いと考えられる対象者には、広範かつ厳密な処遇が必要、再犯Riskが低いと思われる対象者には必要最低限の処遇に止めるという考え方です。
Need 原則:処遇は犯罪 誘発 要因に限定して行います。
Responsibility 原則:処遇は認知行動療法を中心とし、対象者の応答性を高めるよう行われます。

(続く)

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