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精神医学

非常識の心理学

「非常識の心理学」とは、社会や集団の中で共有される“常識”から逸脱する言動や思考をする人の心理的・発達的・社会的背景を分析する領域です。それは単なる“ルール違反”や“変わり者”にとどまらず、創造性の源泉にもなれば、逸脱行動・逸脱性パーソナリティの表現でもありえます。


🧠1. 【非常識とは?(心理学的定義)】

▶ 定義:

  • 文化や社会が暗黙に共有する“常識的期待”から逸脱した思考・行動・価値観
  • それが「場違い」「理解不能」「危険」とみなされると“非常識”とされる

▶ ポイント:

  • 「非常識」=個人の問題ではなく、関係性と文脈のズレ
  • 常識とは相対的で、時代や文化によって変わる(→非常識も相対的)

📚2. 【非常識の心理構造】

心理要因内容
🧩 スキーマの偏り他者とは異なる価値観や社会的前提を持っている(例:「挨拶は無意味」と考える)
💔 共感性の低下他者の視点や感情に鈍く、「空気が読めない」とされる
💣 反社会性 or 自己中心性故意にルールを破る/自分の都合しか考えない
🎭 創造性・独自性の強さ常識の枠を越える発想・行動(アーティスト、起業家に多い)
🧠 実行機能の弱さ注意の切り替え・文脈の読み取りが苦手(発達障害など)

🔄3. 【非常識になる心理的プロセス】

① 社会的ルールや期待を十分に理解できない/納得していない
 ↓
② 逸脱的な行動や発言をとる(無意識 or 意図的)
 ↓
③ 社会的拒絶や誤解を受ける(“変な人”扱い)
 ↓
④ 孤立・怒り・自己防衛 → さらに逸脱へ(悪循環)

🔍4. 【非常識のタイプ分類(心理特性別)】

タイプ特徴背景心理
🧠 発達特性型空気が読めない、文脈を逸脱ASD・ADHD等で認知のズレ
🎭 自己愛型特別扱いを求めルールを無視承認への強い欲求
💣 反社会型故意に常識を壊す、刺激を求める反抗性・興奮追求傾向
🎨 創造型枠組みにとらわれず行動高い創造性・独自思考
💔 被害型自分だけが不当に扱われていると思い込む被害意識/過去のトラウマ

🧬5. 【脳科学的な特徴】

脳部位関連性非常識傾向との関係
前頭前皮質(PFC)実行機能・抑制・判断機能低下 → 衝動的な逸脱行動
TPJ・mPFC他者の視点理解機能低下 → 共感の欠如、空気が読めない
扁桃体感情の発火不安・怒りが過敏 → 被害的反応
ドーパミン系報酬感覚「注目されたい」「刺激がほしい」行動の強化

🧭6. 【非常識と創造性:紙一重の関係】

  • 多くの天才・異端者・改革者は、かつて「非常識」と評された
  • 「常識を疑う力」=創造の源泉
  • 例:スティーブ・ジョブズ、ピカソ、村上春樹、芥川龍之介 など

「非常識な人=病的」とは限らず、“社会のルールと別の軸で動いている”人とも言える。


💡7. 【非常識な人への心理的対応】

対応解説
🧘‍♀️ 評価を保留する一見「変」でも背景を知るまで判断しない
🎯 境界を明確に自他の価値観を分けたうえで線引きをする
🗣 共感より通訳的な理解その人の“常識”を翻訳する努力が有効
🤝 理解可能な枠で関わる相手に合ったルール・構造を設定する(特に発達特性の場合)

⚠️8. 【常識主義の落とし穴】

問題点結果
同調圧力非常識をすぐ排除し、革新性を殺す
正しさの強制他者の多様性を無視し、人間関係が硬直化
非常識=敵という認知“異質”への過剰警戒が生まれる(排外主義・ハラスメント)

🎯まとめ:非常識の心理学とは?

非常識とは、「個人の内的論理と社会常識のズレ」であり、
それは精神的障害・パーソナリティ特性・発達的認知の偏り・創造的逸脱など、さまざまな要因に由来する。
非常識を排除するのではなく、「意味を読む」ことで、新しい理解や価値につながる可能性がある。

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  • 🔍4. 【非常識のタイプ分類(心理特性別)】
  • 🧬5. 【脳科学的な特徴】
  • 🧭6. 【非常識と創造性:紙一重の関係】
  • 💡7. 【非常識な人への心理的対応】
  • ⚠️8. 【常識主義の落とし穴】
  • 🎯まとめ:非常識の心理学とは?
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