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精神医学

身体統合療法

身体統合療法(Body-Oriented Therapy / Somatic Therapy)は、身体感覚・姿勢・呼吸・動きなどを通じて心の回復を促す心理療法の一種で、特にトラウマ、解離、感情調整困難、発達性トラウマ障害(DTD)などに有効とされています。


🧠 1. 身体統合療法とは?:概要と目的

項目内容
🔍 定義身体感覚・筋緊張・動作など身体のプロセスに焦点を当てる心理療法。トラウマや感情体験の身体的残存を統合していく
🎯 目的言語化が難しい「身体に残るトラウマ」や「感情ブロック」を、身体を通じて回復・統合すること
🧘‍♀️ 基盤理論神経系の自己調整理論(ポリヴェーガル理論)、身体記憶、情動調整、感覚運動療法など

🔑 2. 特徴的なアプローチ:言葉より身体からアクセス

心理療法との違い身体統合療法の特徴
CBTなどの会話中心🧍‍♀️ 身体感覚(温かさ・冷たさ・緊張)に注意を向ける
精神分析的手法🧠 無意識的パターンを身体表現から気づく
トーク中心🤲 姿勢・呼吸・筋緊張・動作を自己観察する訓練が中心

🧩 3. 代表的な身体統合療法の種類

名称内容と特徴
🔹 ソマティック・エクスペリエンシング(SE)Peter Levineによるトラウマ療法。神経系の興奮/凍結をほどくことに重点。身体が「凍ったまま」になった人に有効
🔹 感覚運動療法(Sensorimotor Psychotherapy)Pat Ogdenによる。体の動き・姿勢の癖に焦点をあてて感情と行動パターンを統合する
🔹 ハコミ・セラピー「今この瞬間の身体感覚」に気づきながら、自己と向き合うマインドフルネス的アプローチ
🔹 ボディ・マッピングトラウマや感情の記憶を身体の部位として視覚化・対話していく
🔹 ポリヴェーガル理論に基づく介入安全・つながり・社会的関与の神経回路を活性化させることで、トラウマからの回復を支援

🧠 4. 神経科学的基盤:ポリヴェーガル理論との関連

項目内容
🔬 ポリヴェーガル理論(Stephen Porges)自律神経系には**3つのモード(社会関与/闘争逃走/凍結)**があり、トラウマでは「凍結」状態に固定されやすい
👃 身体統合療法の役割この凍結反応を、身体的な安全感・呼吸・リズムを通して解きほぐすことが目的
🤝 安全の感覚(Neuroception)「頭でなく身体が感じる安全」を回復することで、感情調整・自己調整力の回復が起こる

💡 5. 実践的な手法の例

手法内容
グラウンディング足裏・背中・骨盤などに注意を向けて「今ここ」に身体をつなげる
筋緊張・弛緩の気づき肩や顎など、緊張している部分を見つけて意識的に緩める
呼吸の調整自律神経を安定させる呼吸(特に腹式呼吸・鼻呼吸)を訓練
マイクロムーブメント小さな身体の動きを繰り返して「凍った身体の解放」を促す
タッチワーク(場合により)安全な範囲での触覚刺激(手当て、温熱、セラピューティックタッチなど)

📊 6. 適応される領域と対象

領域内容
トラウマ治療PTSD、複雑性PTSD、発達性トラウマなど(言語化が困難なクライアントに特に有効)
解離症状・離人症身体から切り離された感覚を回復することで「自己の再一体化」を目指す
情動調整困難怒り・不安・抑うつの波に飲み込まれる人に対し、「身体を拠り所にする」訓練を行う
発達障害・愛着障害感覚統合の視点から、安心・自己調整の力を育てるアプローチとして有効

✅ 7. まとめ:身体統合療法の本質

観点内容
💡 ポイント身体と心は「別々ではなく一体」であり、身体を通じて心が癒える
🌀 対象トラウマ・解離・発達障害・愛着の問題・慢性ストレス状態などに有効
🧘‍♀️ 中心的技法マインドフルネス・呼吸・身体感覚への気づき・筋緊張の調整など
🔄 効果自律神経の調整、情動の安定、自分自身とのつながりの回復
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  • 💡 5. 実践的な手法の例
  • 📊 6. 適応される領域と対象
  • ✅ 7. まとめ:身体統合療法の本質
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