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薬物療法

睡眠薬の歴史と性質


オレキシン受容体作動薬
オレキシン orexin は1998年に発見された神経ペプチド。「食欲」を意味するギリシャ語 orexis から名づけられました。覚醒、食欲を制御しています。覚醒状態の維持に関与するオレキシンを標的とし、オレキシンの作用を阻害する薬物である「オレキシン受容体拮抗薬」が開発されました。

メラトニン受容体作動薬
メラトニン受容体に結合して活性化するメラトニン類似体です。メラトニン受容体作動薬には、睡眠障害やうつ病の治療など多くの治療用途があります。メラトニン受容体作動薬はメラトニン構造をモデルとして開発され、より強力な作用をもたらします。

ベンゾジアゼピン系非ベンゾジアゼピン系
脳内・神経伝達物質、GABA(gamma-aminobutyric acid:γ-アミノ酪酸)は、抑制的に作用し、催眠・鎮静作用が生じます。ベンゾジアゼピン(BZD)受容体は、GABA受容体と複合体を形成し、BZD受容体が作動するとGABAに関わる神経伝達が働き、脳の活動が抑制され眠気などが生じます。

非ベンゾジアゼピン系睡眠薬(「ベンゾジアゼピン骨格」を持たない睡眠薬)は脳内のBZD受容体へ作用し、主にGABAの神経伝達に働き、催眠作用を生じます。このため「非ベンゾジアゼピン系」と言っても、薬理作用はベンゾジアゼピン系と同様であり、昨今、問題視されている「依存・耐性」を生じます。

BZD受容体には、ω1、ω2、ω3というタイプがあり、ω1受容体は主に催眠・鎮静作用に関わり、ω2受容体は主に抗不安作用・筋弛緩作用に関わります。ゾルピデムなどはω1受容体へ作用しやすいため、筋弛緩作用が弱く、睡眠薬で懸念されるふらつきや転倒などのリスクが少ないと考えられています。

バルビツール酸系
バルビツール酸系は1920年代から1950年代まで、鎮静剤や睡眠薬として唯一の薬物でした。しかし「依存・耐性」が早く生じ、離脱症状としてアルコールと同様に振戦せん妄を引き起こします。さらに作用量と致死量が近いため、高用量を服用すると主に呼吸抑制から死亡に至ります。

1960年代に、危険性が改良されたベンゾジアゼピン系が登場し、バルビツール酸に代わりました。麻酔やてんかんを除き、当初の鎮静催眠薬としてのバルビツール酸系は使用されておりません。日本では「麻薬及び向精神薬取締法」により管理されています。


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