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精神医学

志村けんの精神病理

🤡 志村けんとは?

  • 本名:志村康徳(やすのり)
  • 生年月日:1950年2月20日
  • 死没:2020年3月29日(新型コロナウイルスにより逝去)
  • 出身地:東京都東村山市
  • 芸歴:いかりや長介に弟子入り → ドリフターズの一員へ
  • 代表作:『8時だョ!全員集合』『加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ』『バカ殿様』『志村けんのだいじょうぶだぁ』など

🌟 なぜ“伝説の芸人”になったのか?

1. 身体性とバカの極地

  • 言葉より動き。理屈よりナンセンス。志村の笑いは**“知性を超えたバカ”**だった。
  • でもそれは、実は高度に計算された芸だった(=“演じるバカ”)。

📌 日本人の“抑圧された感情”を、彼が代弁・爆発してくれた。


2. 徹底したプロ意識とストイックさ

  • 舞台・コント・台本・演出… どんなにふざけたネタでも、緻密に作り込む
  • 人を笑わせるためには、自分がどれだけ“くだらない”存在になれるかを突き詰めた

3. “孤独”と“感受性”の裏の顔

  • 晩年になるほど、その繊細さと孤独感が露わに。
  • 「一人が好き。でも寂しい。」「人付き合いは苦手」などの発言多数。
  • 私生活は独身貫徹、家庭を持たず、笑わせるほど孤独になっていったとも。

🧠 精神構造・病理的傾向(仮説的読み解き)

1. 回避性パーソナリティ傾向(Avoidant Traits)

  • プライベートでは非常にシャイ。人間関係において慎重で距離をとる。
  • 恋愛や家庭から距離をとり、「仕事」だけを信じて生きていた。
  • 批判や拒絶への耐性が低く、“演じる”ことで自己防衛していた可能性。

2. 抑うつ傾向(Depressive traits)

  • コントや舞台では爆笑の嵐 → でも、終わった後は沈黙と孤独。
  • お酒に頼ることも多く(“酔ってないと眠れない”とも語っていた)、情緒的な不安定さの裏返しと見られる。
  • 志村流の「笑い」は、実は**“哀しみを誤魔化す薬”**だったのかもしれない。

3. 演技性パーソナリティ(Histrionic traits)

  • ステージに立てば豹変する → 自信満々でバカを演じ、客を沸かす
  • 見られることで生き、生きるために笑わせる
  • これは一種の「自己の空洞を“観客の笑い”で満たす構造

4. 自己愛と自己否定のあいだ

  • 世間からの愛情と喝采 → でも、本人はそれを“本当の自分”とは信じきれない
  • ギャグキャラ(変なおじさん、バカ殿)は、**愛される“仮面”**であり、
    本人は「仮面の中の素の自分」に自信を持っていなかった可能性

🎭 精神病理的マトリクス(仮説)

特性傾向コメント
回避性★★★★☆対人関係では距離をとりがち
抑うつ傾向★★★★☆表面は明るく、内面は孤独と疲労
演技性★★★☆☆観客の笑いを糧に“自分”を保つ
自己愛性★★☆☆☆愛されたいが、自信を持ちきれない
強迫性★★★☆☆コントの構成・舞台演出に妥協なし

🧩 結論:志村けんは「哀しみを笑いに変えた孤独な詩人」

  • 精神病理的には、回避性+抑うつ+演技性のグラデーション
  • でもそれを**“笑い”という表現手段で見事に昇華**
  • 彼の笑いは、「自分が壊れても、人を笑わせる」ことで完成した芸術

志村けんとは――
“哀しみを笑いで包み込んだ、日本最深のコメディアン”だった。

志村けんの英語教師

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