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精神医学

弁証法的行動療法 DBT. Dialectical Behavior Therapy

「弁証法」とは、哲学において真理に到達することを目的として提唱された方法
または 定立反定立・総 という三段階

「いまこの瞬間の行動受容と行動化の強調」「患者と治療者、双方の治療妨害行為の取り扱い強調」「治療に必要な治療関係の強調」「弁証法的プロセスの強調」

「変化させること」「変化させず受容すること」のバランスが重要

Mindfulness Skills
注意深くあること、理知的および感情的な心のバランスをとり 「賢い心」に至る
対人関係保持Skills
人間関係に留意、優先順位・生活や人間関係で要求されることのバランス、
したいこと・しなければならないことの統御力と自尊心を養成
感情抑制Skills
いまある感情を観察・描写、感情の性質・メカニズムを理解
ネガティブな感情を減少、ポジティブな感情を増加
苦悩耐性Skills
短期間の苦悩に耐えるための「危機を乗り越えるストラテジー」
長期間の苦悩に耐えるための「現実を受け入れるためのガイドライン」

Mindfulness Skills
「現在の体験へ注意を向ける心理過程」
「いまこの瞬間の体験を意図的に意識し、評価せず、とらわれず、ただ観察すること」

「理性的な心」「感情的な心」へ関与し、バランスをとり「賢い心」に到達する手段です。
「理性的な心」「感情的な心」により乱されるため、両者を統合し「賢い心」を身に付けます。

  1. 把握スキル (what skill)
    観察する、描写する、関与する/自分の行動を客観的に意識するため
  2. 対処スキル (how skill)
    断定(判断)しない、ひとつに集中する、効果的であること       
    「座禅儀」調身調息調心
    臍腹を寛放し、一切の善意すべて思量することなかれ。念起こらば即ち覚せよ。これを覚すれば即ち失す。
    久々にして縁を忘ずれば自ずから一片となる。これ坐禅の要術なり
    現代語訳
    身も心も解放し、腹の中になんの一物もなく、ゆったりと解放した上で、是非善悪など、相対的「想念」を払い去った、「無念無想」になります。しかし、人間は簡単に「無念無想」「無心」になれません。そこで「妄念」を生じたら「省覚」することにより「妄念」は消えます。

対人関係保持Skills / DBT

1. 自分の望みをかなえる
“DEAR MAN”
Describe(状況を客観的に描写する)
Express(状況についての意見をはっきり表現する)
Assert(相手に行動をおこさせるために、要望を主張する)   
Reinforce(行動が良い結末をもたらすことの強調)
stay Mindful(心の動きに集中させた状態を保つ)
Appear confident(自信に満ちていることを示す)
Negotiate(自分と他人の要求に折り合いをつけるために交渉する)

2. 対人関係を保持する
“GIVE”
be Gentle(穏やかで節度のある態度を心がける)
act Interested(相手に関心を持っているように振舞う)
Validate(相手を肯定する)
use an Easy manner(和やかな態度を示す)

3. 自尊心を保つ
“FAST”
be Fair(公正であること)
no Apologies(むやみやたらに謝罪し
Stick to values(自分自身の価値観を守る)
be Truthful(誠実であること)

感情抑制 Skills / DBT
1. いまある感情を観察する
2. その感情を描写する
3. 感情の性質を理解する
4. 感情のメカニズムを理解する
5. ネガティブな感情を減少させる
6. ポジティブな感情を増加させる

ネガティブな感情を減少させる(PLEASE MASTER)
treat PhysicaL illness(身体疾患の治療)身体疾患に罹患していると否定的感情に対する抵抗が弱まります。
balance Eating(バランスのとれた食事)多過ぎず、少な過ぎず、気分の良くなる食べ物・悪くなる食べ物について話し合いましょう。
avoid mood-Altering drugs(気分を変動させる薬物を避ける)アルコールや薬物も否定的な感情に対する抵抗を弱めます。
balance Sleep(適度な睡眠)自分が気分良くいられるだけのほどよい睡眠を心がける。
get Exercise(運動する)適度な運動。有酸素運動は抗うつ作用をもたらします。
build MASTERy(統御力を養う)自信と能力を高めましょう。

ポジティブな感情を増加させる
ポジティブな経験を積み重ねる:短期的に好きなこと楽しいことを、長期的に目標を作り努力しましょう
ポジティブな経験に心を向ける:起こった良い出来事のほうに目を向けるようにしましょう。
心配事に気をとめない:今の幸運はいつか終わると考えない、自分は幸せになる価値があるのかと考えないこと。

苦悩体制 Skills / DBT
危機を乗り越えるストラテジー
気をそらす

Wise Mind ACCEPTS(賢い心で気をそらす)
Activities(とにかく活動する)掃除。散歩やイベント。ノンカフェインのコーヒーや紅茶。ゲーム。
Contributing(何かに貢献する)ボランティア。
Comparisons(自分より苦しい立場にいる人と比較する)自分より不運な人と比較。災害や人の苦難のニュース。メロドラマ。
opposite Emotions(正反対の感情を生み出す)感動的な本。恐怖映画。古い手紙を読み返す。
Pushing away(しばらく放っておく)しばらく考えることを止め気持ちを放り出す。
other Thoughts(他のことを考える)10秒間数える。テレビや雑誌を見る。パズルをする。
intense other Sensations(他の激しい感覚を起こさせる)手に氷を握る。ゴムバンドを巻き引っ張り離す。ゴムボールを強く握る。

苦悩体制 Skills / DBT
危機を乗り越えるストラテジー
自分を落ち着かせる
視覚・聴覚・臭覚・味覚・触覚の全てにおいて感覚を鎮めリラックスしましょう。

視覚:部屋に花を置く、映画や舞台を見に行く、海や山へ行く、絵画を見るなど
聴覚:美しい音楽または激しい音楽を聴く、自然の音に注意を向けるなど
臭覚:香水をつける、アロマを炊く、森林浴を行うなど
味覚:健康的な食事を摂る、よく味わいながら食べる、ハーブティーなど
触覚:お風呂に入る、恋人と過ごす、犬や猫と遊ぶ、ソファやベッドでくつろぐなど

苦悩体制 Skills / DBT
危機を乗り越えるストラテジー
今この瞬間を好転させる
キーワードは“IMPROVE”
Imagery(イメージする)安全・安心な場所に行き、将来、自分は報われることをイメージする
Meaning(苦悩に意味付けをする)苦悩に価値、意味を見つける、可能な限りポジティブな側面を見出す
Prayer (祈る)神や仏のような全知全能な存在をイメージし、自らを委ね、祈る
Relaxation(身体をリラックスさせる)心身をリラックスさせることで心身のコントロールをする
One thing at a time(一度に1つのことをする)マインドフルネス・把握スキルその2と同じ
a brief Vacation (短い休暇や休憩をとる)15分間昼寝する、1週間休暇を取るなど
Encouragement (自分を励ます)「いつかは終わる」、「私ならできる」など自分に言い聞かせる

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