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神経発達症群 (6A0)

女子の発達障害「どうして私ばかりが・・・」


「発達障害」すなわち「自閉症スペクトラム障害. ASD」「注意欠陥多動障害. ADHD」は男子に多いとされています。「自閉症」の有病率0.65-1%、男:女=4:1、”ADHD”の有病率、小児5%、成人2.5%、男:女=2:1という数字が提示されています。しかし、臨床現場においては女子の発達障害も少なくなく、男子より問題が健在化しづらく(「陰」にこもりやすく)、対応困難と考えられています。

幼少期は一人で「おままごと」をしたり、「おてんば」と呼ばれ許されたりしますが、思春期・青年期となり社会性が求められると「集団不適応」を生じます。女子の場合、中学生頃からいわゆる「グループ」ができ、皆で行動するものですが、「発達障害」の女子は、なかなか「グループ」へ入れません。グループに共通した暗黙の掟(ルール)を守らないため、多くの女子から「仲間外れ」にされたり「無視」をされたりしてしまうのです。本人は訳分からず「どうして私ばかりが・・・」と悩むばかりです。

成人になると、さすがに「ルール」や「マナー」のあることに気づきますが、それを守り続けるのは難しく、たいてい1-2年毎に転職したり、アルバイトや派遣社員など短期間の就労に限定されるようです。異性交際も次々と変わります。若い頃は外見を整えることばかり躍起となり、内面の洞察が疎かとなるため、男性関係も表面的で、長期間に渡り「こころを通じ合う」という関係を育むのが難しいようです。中高年になりますと、結婚しても、世間体あり、家庭内別居、仮面夫婦、不倫の繰り返しなどの事例も認められます。

職場でも家庭でも、発達障害の方は「マイルール」を相手に押し付けたり、相手との「バウンダリー(境界線)」を守らず、相手の領域へ侵入、相手を管理・支配することがよく見られます。例えば、誰かが何かの作業をしている時、発達障害者は自分が行った方が上手いと確信し、その作業を奪い行います。確かに上手いかもしれませんが、奪われた方は折角の成長の機会を失うことになり落胆するのです。

また他者の予定や時には収入に関わることまで、事細かに管理・支配することで、本人は達成感を覚えるでしょうが、された側は閉塞感・圧迫感を覚えるばかりです。このような行為の結果、本人を取り巻く人間関係は硬直化し次々と人が離れていきます。

しかし、本人はなかなか問題に気づきません。誰かが「猫の首に鈴をつけなければならないのですが・・・」問題の根本的な解決には、本人の身近な人物が、その時は「どんなに恨まれても」「喧嘩になってもいいから」、とにかく「病識」を持たせるように「忠告」することが不可欠です。相手や環境を批判するのではなく、自分の問題であると自覚して、障害は治せなくても、それに伴う問題行動を「抑制」するよう「努力」することが、今後の人生において不可欠であると諭すことです。

ただし「病識」と持つことは、言うは易く行うは難し。発達障害の当事者を取り巻く環境として、両親や同胞も同様の障害や問題のあることが多く、母子や姉妹にて障害を「外在化」して解決しようとせず、自分たちの問題を「否認」「隠蔽」してしまうのです。そして、問題が取り返しのつかない程、大きくなり「顕在化」した時には、社会的な事件にまで至ってしまうこともあります。

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