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気分症群 (6A6-6A8)

「躁うつ病」とは


「躁うつ病」「躁状態」は鬱状態の対極で、気分が高揚し、何でも楽しく、意欲の亢進する「病気」です。一見、楽しく幸せな状態と誤解されるかもしれませんが、度が過ぎると困ってしまいます。落ち着き無く、口数が多く、怒りっぽくなります。さらに、できない仕事を引き受けたり、お金を使い込んだり、異性を誘惑したり、することもあります。このため家族や友人など、周囲の人々に迷惑をかけるのです。また躁状態に関して、本人は自覚のない、ことが多く、気づいても「調子が良い」と誤解しているため、深刻味はありません。そして、躁状態の自分こそ「本来の自分である」と妄信することも少なくありません。

躁うつ病はその名の通り「躁」と「鬱」とが繰り返す病気です。躁のみの「躁病」は数少なく、多くは躁の後に鬱を迎えます。動き回り喋りまくりエネルギーを枯渇して鬱になる場合もあれば、躁の時に大きな決断をして、後で悔み鬱になる場合もあります。いずれにおいても、「躁」の時の逸脱した言動が、その後、「鬱」を招くわけです。しかも「うつ病」の鬱と「躁うつ病」の鬱とでは、躁うつ病の時の鬱の方がその落差のため、本人が感じる「鬱」は深いようです。いわば「ジェットコースター」のように激しくアップダウンを繰り返すのです。

躁うつ病の方の人生はドラマティック、エピソードにこと欠きません。度重なる結婚と離婚、転居や転職、失敗と成功など、目まぐるしく移り変わる「ライフイベント」は「波乱万丈」とも言えます。さらに、アルコール・薬物、ギャンブル・性行為など、物質や行為へ依存・乱用することもありません。その結果、躁うつ病に加え、各種・物質依存症、借金・不倫、時に、窃盗やわいせつなど「犯罪」に至ることさえあります。

以前ご説明したとおり、躁うつ病の方の病前性格は明るく楽しく、ある意味、社会的に好ましい性格とも言えます。集団の中では一際、目立ち、皆の注目を浴びる存在であります。実際に実業家や政治家、芸能人といった世の中で成功されている方の中に、実は、軽い躁うつ病であるという方がいらっしゃいます。普通の人よりも多くの仕事をしたり、目立った言動をしたりするためには、軽い躁状態でないとできないのかもしれません。

しかし、周りの人々が気づかないところで、落ち込んでいることもあります。そして、成功していたはずの方が、苦悩に満ちた告白をされたり、自叙伝を出版されたり、さらに、突然、自殺されたりするのは、軽い躁うつ病のゆえかもしれません。そうしますと、人生は、多少つまらなくても「平凡」や「普通」でいることが、実は「幸せ」なのでしょうね。

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