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精神医学

「解離」とは


「解離」とは、これまで「ヒステリー」とも呼称されてきた病態で、「意識が外(傷)的事象を切り離す」という概念に相当します。病態は多彩で、解離性遁走、解離性健忘、転換性障害、離人症、解離性同一性障害など挙げられます。いずれも一目を引く病態で、時にドラマや映画の題材になることもあります。

「意識」には相応の神経基盤が想定され、例えば、解離性健忘の場合、特定のエピソード記憶が喪失されている場合、右前頭葉・側頭葉前部の血流低下が確認されており、これまで「心因性」とみなされていた疾患に神経基盤が認められるようになってきました。ただし、これらは「心神耗弱」や「心神喪失」といった「司法精神医学」における「責任」とは次元の異なる議論であることを強調しておかなければなりません。

意識・覚醒は主に「脳幹」により維持されます。「橋→中脳→視床→視床下部→大脳皮質」へ投射される神経組織網により維持されます。明らかな意識障害が生じている場合、これらの損傷(外傷、出血・梗塞、低酸素血症など)の有無・程度が問われます。

「解離性遁走」とは、ある日突然、職場や自宅より飛び出し(遁走)、自己同一性(自己の存在や記憶など)が混乱しており、背景に「解離」の心的現象が想定されます。何かしら人生のストレスを受け容れられないため、これまでと全く異なるところへ赴き、新たな人生を模索します。


「解離性健忘」とは、自分の身の周りの記憶が突然、失われる、背景に「解離」の想定される心的現象。想起不能になる記憶は心的外傷やストレスであり、その後も PTSD や Personality の問題として生じることがあります。


「転換性障害」とは、運動や感覚機能の変化に伴い、職務や生活に支障を生ずる障害です。具合的に、四肢・手足の脱力・麻痺、失立・失歩(立てない・歩けない)、失声(声が出ない)、嚥下困難など多彩な症状を呈します。身体各科では異常なく「心因性」と診断され、精神科では「解離」が想定されます。


「離人症」とは、「現実を生き生きと感じられない」「1枚薄いベールがかかっているような」現実感の消失である「外界意識の障害」、および「自分が自分でないよう」「自分の行為を傍観しているよう」「夢を見ているような」「内界意識の障害」に分類されます。

「解離性同一性障害」とは、複数の区別される人格により特徴づけられる自己同一性障害。本人は日々日常の出来事や心的外傷の想起とが断片的・反復的に生じるため、行動・情動・認知などに著しい混乱を生じます。「二重人格」「多重人格」など呼称され、マスコミで話題になった時期もありましたね・・・

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