衝動制御障害とは、自分や他人へ危害を加えるような「強い内的欲求」に抵抗できない「自己制御障害」。
衝動制御障害として単独に診断されるほか、他の精神疾患の症状という考え方もあります。例;自殺企図・自傷行為、暴力・暴言、反社会的行動/統合失調症、双極症、神経発達症、パーソナリティ症など。
原因は、衝動や情動を惹起する扁桃体を抑制する前頭前野眼窩部の機能低下や脳内のセロトニン伝達低下が確認されています。
治療は、主となる精神疾患の治療が第一です。セロトニンを賦活するため、SSRIをむやみに処方すると、双極症の方は躁状態になります。従って、十分に病歴を聴取し、正確な診断を行うことが、適切な治療の大前提となります。
薬物療法は検討を要しますが、心理療法は共通しています。「立ち止まって考える」「振り返って考える」ことです。衝動制御障害に限らず、精神疾患に罹患すると、その時の気分で即断即決する傾向があります。このため、意識し、上記を心がけることです。考えたことを、どなたかに話したり、自らノートに記したりすることも有効です。