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パーソナリティ症群および関連特性 (6D1)

「演技性パーソナリティ障害」とは


「アメリカ精神医学会」による診断分類
過度な情動性と人の注意を引こうとする広範な様式で、成人期早期までにはじまり、種々の状況で明らかになる。以下のうち5つ以上により示される。
① 自分が注目の的になっていない状況では楽しくいられない
② 他者との交流はしばしば不適切なほど性的に誘惑的なまたは挑発的な行動により特徴づけられる
③ 浅薄ですばやく変化する情動表出を示す
④ 自分への関心を引くために身体的外見を一貫して用いる
⑤ 過度に印象的だが内容のない話し方をする
⑥ 自己演劇化、芝居がかった態度、誇張した情動表現を示す
⑦ 被暗示的(すなわち、他人または環境の影響を受けやすい)
⑧ 対人関係を実際以上に親密なものと思っている

「演技性パーソナリティ障害」の方は、演劇的あるいは性的誘惑による行動により、自己に過剰に注目を引こうとする行動様式を特徴とします。診断基準に「自分が注目の的でないと楽しくない、そのために話を作り出したり、騒動を起こすこともある」があります。これは、いわゆる「空想虚言」を生じることがあるようです。この点で、伝統的診断においては「顕示型」自分を実際以上に見せかける者。嘘をついたり芝居をして、他人も自分も欺く人格とも考えられます。

このような方々は演劇や芝居をして他人を楽しませているうちは良いのですが、時に「虚言」により他者を「偽り」「騙す」ことがあります。さらに、自己愛的・反社会的パーソナリティ傾向も加わると、「良心の呵責」「罪悪感を覚える」ということがなく、平気で他者の金銭、権利、さらに人生まで犯すことさえあります。いわゆる「詐欺師」「犯罪者」と言っても過言ではないでしょう。

この方々は上記の通り、罪の意識がないため、いわゆる「浅薄な感情」「共感性の欠如」といわれる冷淡さを特徴とします。うわべでは笑顔で冗談や心にもない「お世辞」を述べたりもしますが、心の奥では、相手からいくら搾取できるかなど、冷徹に計算しています。

「お世辞」には注意しなくてはなりません。昔から「巧言令色鮮し仁」(言葉巧みに、相手から好かれようと愛想を振りまく者に、誠実な人物は少なく、人間として最も大事な「徳」である「仁」の心が欠けているということ)」と言います。特に良き医師は、患者さんのことを思えばこそ、「耳に痛い」ことを言わなくてはならないこともあります。

一方、被害者は普通すぐに判断できませんが、後から「騙された」と気づかされます。専門家の場合は「精神鑑定」などにより、様々な言動から総合的に診断します。そして、ケースごとに「民事事件」「刑事事件」へと立件されます。

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