
依存症の治療過程は、疾患理解、治療継続、再燃予防に分類される。疾患理解は・疾患の理解を深める・離脱症状・併存疾患の把握、治療継続は・目標設定・社会生活・家庭生活の維持、再燃予防は・医療機関へ通院・自助グループへの通所です。
依存症は生活習慣病よりも治療の導入が著しく困難です。それは脳内の報酬系という神経回路が作動し、ドーパミンという快楽を司どる神経伝達物質が大量に分泌されているからです。これを止めるには何らかの外的な要因が求められます。アルコール依存症でしたら肝機能障害または何らかの事件・事故、ギャンブル依存症でしたら債務整理・自己破産に至るほどの金銭問題、性依存でしたら逮捕・拘留などです。
初診でいらしても再診へつながるとは限りません。家族や弁護士の勧めで受診された方が少なくないからです。このため本人の受診意欲は高くありません。いわゆる「内発的動機づけ」伴わないと通院は続きません。こちらは「動機づけ面接」を行い、少しでも本人の治療意欲が高まるよう努力いたしますが…
理想的には、自助グループでの出会いや書籍での啓発により、「生き方の再発見」をすることです。依存のない生活・人生を再発見することです。まずは体を動かしてみてはいかがでしょう。散歩や体操くらいで十分です。依存症の方は昼夜逆転していることが多いため、精神科を受診して睡眠導入剤を処方してもらっても良いでしょう。依存症は完治する病ではありません。生涯かけて止め続ける病です。根気強く頑張りましょう。