
モラル(「良識」とされる道徳や倫理)によって行われるハラスメント(嫌がらせ)。フランスの精神科医 Marie-France Hirigoyen(イルゴイエンヌ)が提唱した言葉。身体的な暴力は、外傷などが残るため、顕在化しやすいけれど、精神的な暴力は言葉や態度などにより行われるため、長期間、潜在化していましたがが、イルゴイエンヌの提唱により、一般社会へ知られるようになりました。
「加害者」は「被害者」を「対等の人間」とみなしていません。ともすると「もの」扱いする時もあります。
「自己愛性Pesonality」のため、自分を葛藤を抱えることができず、他者や周囲を変えることで、解決を図ろうとします。このような言動は、加害者が幼少期に受けた「心的外傷 Trauma」が癒されることなく、「行動化 Acting Out」された結果ではないかと考えられます。
「被害者」にも特徴があります。被害者は、出来事に対し、「自分が悪いのでは」と罪悪感を持ちやすい、誰かへ尽くすことで自分の存在を確認しやすい傾向があります。いわば、自己愛と依存との「共依存」の病理を呈していると言っても過言ではないでしょう。