問題解決療法

ホーム > 診療内容 >問題解決療法
インターネット予約はこちら

問題解決療法

最も積極的・効果的な対処方法は「問題解決」です。
そこで、これを治療的に援用した「問題解決療法」をご紹介いたします。具体的に以下の手順に従って進めます。

問題解決療法

  1. 問題の提起
    まず問題を知覚することからはじまります。これは「問題への感受性」とも言い、自分や周囲の問題を積極的に気づくことで得られます。その際は「自分だけの思い込み」といった認知のゆがみ(後述)を排除する必要もあります。更に問題を解決することに、積極的・挑戦的になる態度も求められます。従って、ある程度の精神的な健康さ、不安や抑うつの改善が前提になります。

  2. 明確化・定式化
    問題が明らかになれば、それは半ば解決したといっても過言ではありません。しかし実際に、問題は曖昧・混沌としていて、なかなか分かりません。そこで、情報を集める、問題の本質を明らかにする、目標を設定する、問題を解決する意義を再評価する、ことが必要です。そのためには、集められた情報を、分かりやすい言葉で、具体的に、正確に書き出してまとめることが有用です。可能ならば、図や表にしてみるとより理解しやすいでしょう。

  3. 代替可能な解決策の産出
    問題に対し、できるだけたくさんの選択肢を考え、より良い解決策を得ることを目指します。それには「拡散的思考」(Guilford)や、「ブレイン・ストーミング」(Osborn)を用います。これは「頭の中に嵐を巻き起こす」という名称の通り、固定観念にとらわれず、様々なアイデアをいくつも考え出すことです。この際、質よりも量が重要で、それらを分類したり、組み合わせたりすることにより、更なるアイデアを考え出すことができます。そして、意思決定するまでは、批判や評価を避け、自由な雰囲気の中で行うことにより、多くの解決策を考え出せることができます。

  4. 意思決定
    代替思考により得られた選択肢から最善の解決策を決めます。そのためには、それぞれのメリット・デメリットを十分に検討します。基準は、問題を解決できる見込み、期待される心理的安定、要する時間や労力、自分や周囲への影響、などです。それには「収束的思考」が求められます。拡散的思考で得られたいくつものアイデアを、内容や時間の流れによりまとめ、より良いアイデアへ至るよう努めます。これらのアイデアも図や表にすると容易にまとめることができます。

  5. 実施と検証
    選択された解決策を実施し、結果を検証します。特に仕事や生活における「有効性」や「実用性」に注目いたします。そのためには結果を客観的・具体的に観察・記録すると効果的です。回数や時間、金額など数値化するとより良いでしょう。

【ケース、28歳、会社員】

1.問題提起
最近、遅刻が多い
2.明確化・定式化
朝起きられない、夜眠れない、早く帰宅できない
3.代替可能な解決策の産出
  1. 早く仕事を終わらせる
  2. 同僚に手伝ってもらう
  3. 上司に仕事を減らしてもらう
  4. 心療内科・精神科を受診する
4.意思決定
  1. 可能ならばそれが一番/実際には終わらない
  2. 自分の仕事は楽になる/同僚も忙しいので頼めない
  3. 仕事は減らしてもらえる/上司からの評価が下がる
  4. 睡眠が確実に取れそう/受診には抵抗がある
    →仕事は終わらない、職場の援助も得がたい→心療内科を受診する
5.実施と検証

思い切って心療内科を受診した。
「軽いうつ病」と言われ、薬をもらった。
直ぐ眠れ、朝も起きられるようになった。
しばらくしてから異動し、楽な部署へ移ることができた。
業務に穴を開けず、会社に知られることもなく、無事に乗り切れた。

>> 問題解決表はこちら

問題解決療法

以上、問題解決療法について概説いたしました。ご自分の生活や行動・思考などを客観的に観察して、より現実に適応した対処・方法を模索する試みです。と言いましても、なかなか一人で行うのは困難でしょう。特に、不安感や抑うつ気分の強い時は、論理的・理性的な思考をしづらいものです。銀座泰明クリニックでは、必要に応じ、これらの心理的な治療を皆様とご一緒に行ってまいります。詳しくは主治医とご相談ください。どうぞ宜しくお願い致します。

より詳しい内容を知りたい方は、
以下の書籍等をご参照ください。

「精神科地域ケアの新展開‐OTPの理論と実践」
水野雅文・村上雅昭・佐久間啓編、星和書店

「うつ・不安ネット」
こころが軽くなる認知行動療法活用サイト

大野裕発案/監修

  • このエントリーをはてなブックマークに追加 
  • Clip to Evernote