心理教育

Kyoiku

21世紀を迎え、精神医学・医療は劇的な変化を遂げました。20世紀までは、重症の精神病の患者さんを中心とした、隔離・収容型の精神医療でした。21世紀になり、不眠・不安・うつ病・躁うつ病など軽症・中等症の患者さんを中心とした、都市型・地域医療へと転換しました。

これにより、患者さん方々の受療姿勢も変わりました。それまでの受動的な姿勢から、能動的に医療を求める姿勢に変化ました。その象徴がインターネットやスマートフォンにより積極的に知識や情報を得て、より良い治療を求めようという積極的な姿勢です。

「銀座泰明クラブ」では「心理教育」として、毎週・水曜・土曜14時から「心理学講義」、土曜19時から「精神医学講義」を開催しております。各講義のご案内および「精神医学講義」については講義内容をスライドとしてご提供いたします。お時間ある時にご照覧くらださいませ。

「心理教育」とは、精神疾患を抱える患者さん本人および家族に対し、エンパワーメントおよび対処方法をお伝えする患者教育です。 多くの場合、統合失調症、うつ病、不安障害、慢性疾患、摂食障害、パーソナリティ障害に実施、その家族もまた対象となります。

教育目的は、受講者に現在の疾患と、より良い対処方法を学んでもらう事です。さらに、患者自身のキャパシティ、利用可能な資源、コーピングなどを強化、そして長期的な健康と福利を高めることでもあります。

 

 

(スライドをクリニックすると拡大します)

 

(スライドをクリックすると拡大します)

「心理学講義」
患者さんへの特別講義-

「心理学」とは人間の「心理」や「行動」に関する学問です。
「健康」「病気」の心理の違いとは?
「健康」「心理」の保ち方とは?
「自己」「他者」「心理」など理解を深めましょう。さらに、

「心理検査・知能検査・人格検査・神経心理検査」とは?
「発達段階:乳幼児期・児童期・思春期・青年期中年期・老年期」とは?
「心理療法:精神分析・認知療法・行動療法・家族療法・森田療法・内観療法」等など
「公認心理師(国家資格)」が詳しく講義いたします!

毎週水曜14時
毎週土曜14時

 

(スライドをクリックすると拡大します)

「精神医学講義」
– 患者さんへの特別講義 –
  毎週土曜19時より
デイナイトケアプログラム


「精神疾患」
とは?
「病気」「健康」「病気」「性格の違いとは?
「脳」「心」「体」の関係は?
「不眠症」「不安症」「うつ病」「躁うつ病」「統合失調症」とは?
「障害」「疾患」の違いとは? それぞれの「重症度」とは?
「依存症」の種類と治療法とは?
「発達障害」「人格障害」とは?
「薬物」「心理」「社会」療法とは?
「寛解」「回復」「治癒」の違いは?
「再燃」「再発」とは?
「遺伝」「環境」の関係とは?
「治療」「予防」の方法は?

  等々、「テーマ」は各回毎
 「リクエスト」に応じます!

 

(スライドをクリックすると拡大します)

「精神医学」とは

人間の精神現象、特に精神障害を扱う学問です。
人文科学(主観的評価)自然科学(客観的評価)等から成立します。

日本精神神経学会

精神病理学・精神病跡学、生物学的精神医学・精神薬理学、社会精神医学・司法精神医学など

伝統的診断(外因内因心因)
操作的診断(ICD、DSM)

診察・問診/問診票・質問紙
構造化診察

Experience(経験) / Evidence(実証)

薬物療法(1950年代より)電気けいれん療法高照度光療法デイナイトケア

身体科との相違

 

(スライドをクリックすると拡大します)

「精神医学」の歴史

平安時代:狐憑き・物狂い、江戸時代:きちがい(差別用語)

1377年、Bethlem Royal Hospital in England(世界最古)
1793年、Philippe PinelがHôpital de la Salpêtrièreの閉鎖病棟において患者を鎖から解放しました。

1879年(明治12年)、東京府癲狂院(上野恩賜公園内、日本最古)東京府巣鴨病院を経て、
現在の東京都立松沢病院となります。

1886年、Sigmund Freudが「自由連想」「精神分析」を創始。
1899年、Emil Kraepelin が「精神病」「早発性痴呆」「躁鬱病」に分類。

1853年、International Classification of Diseases, ICD / World Health Organization, WHO
1952年、Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, DSM
/ American Psychiatric Association, APA

 

(スライドをクリックすると拡大します)

「精神医学の未来」

光トポグラフィと磁気療法の過剰宣伝
遠隔診療と保険診療

遺伝子解析倫理性
AI. Artificial Intelligenceを用いた精神科診断

ロボットによる代替治療
人間による精神療法・心理療法の重要性

 

(スライドをクリックすると拡大します)

「病気」とは

「病む」とは、身体的・精神的・社会的に、どこか不健康であるというサインです。人々はこのサインを受け止め、日常生活を修正し、適切な治療を受ければ、早期に回復し「今まで以上に健康」な日常生活を手に入れることができます。

「病む」という体験は、これまでの身体的・精神的・社会的生活を振り返り、己の生き方、価値観、時間の使い方などを振り返って見直す機会となります(セルフケア不足看護理論)。

「病む」ことは、これまでと異なる「新しい人生」「自己成長」へのきっかけとなるのです。

「友とするにわろき者七つあり。一つには、高くやんごとなき人。二つには、若き人。三つには、病なく身強き人。四つには、酒を好む人。五つには、猛く勇める兵。六つには、虚言する人。七つには、欲深き人」「よき友三つあり、一つには物くるゝ友、二つにはくすし、三つには知恵ある友」(徒然草)

 

 

 

(スライドをクリックすると拡大します)

「病気」「健康」とは

「未病」(伝統中国医学、中医)とは、明らかな症状も無く、検査でも明らかな異常がないけれど、少し調子の悪い状態、病気になる前段階、心身の微妙な変化を表しています。
「東洋医学」は医食同源、心身一如、自然治癒に基づき、生活習慣の改善を推奨しています。これにより「未病」は「病気」に至らずに済みます。

「健康とは、生きる目的ではなく、毎日の生活のための資源である」
“Health is, therefore, seen as a resource for everyday life, not the objective of living”
Ottawa Charter for Health Promotion (1986)”

「健康とは、身体的・精神的・霊的・社会的に、完全に良好な動的状態であり、単純に病気あるいは虚弱でないことではない」
“Health is a dynamic state of complete physical, mental, spiritual and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity (1999 WHO)”

 

 

(スライドをクリックすると拡大します)

「障害」とは

「障害」は目標の達成や進行の妨害となること。

「障碍(しょうげ)」は仏教用語。「修行」の妨げとなる煩悩障、業障、生障、法障、所知障など。例えば「煩悩障」は、貪り、瞋り、癡かなど自身の煩悩が信心修行の妨げとなること。

「障害」は、1950年「身体障害者福祉法」「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」において「障害者」が用いられ、それまでの「不具者(ふぐしゃ)」「癈疾者(はいしつしゃ)」という用語から代ったことにより、差別・偏見など生じてきたようです。

“mental disorder(精神障害)”はICD/WHOによる定義、“disease”の方が重篤な感あり。
“sickness(軽い病気)”“illness(病気)”“disease(体内の異常により生命に関わる疾病)”

 

 

(スライドをクリックすると拡大します)

「正常」「異常」とは

「正常」「普通」「一般」「通常」「平凡」「凡庸」
「異常」「特別」「特殊」「特異」「奇異」

「出る杭は打たれる」「能有る鷹は爪を隠す」「大賢は愚なるが如し」「深い川は静かに流れる」

Intelligence Quotient, IQ は、同年齢の集団内における位置を基準とした標準得点としての「偏差知能指数(Deviation IQ, DIQ, 偏差値知能指数)」です。
中央値100、標準偏差15前後と定義されます。平均値100、85–115:約68%の人が収まり、70–130:約95%の人が収まります。
「正規分布」といい、データが平均値の付近に集積するような分布を表します。70以下130以上が異常値とされます。

IQ の高さは必ずしも「天才(創造性など)」と結びつきません。
IQ のみ高い方は「秀才」と呼びます。

 

 

(スライドをクリックすると拡大します)

「天才」「狂気」とは

「天才」とは、天性の才能、生まれつき備わった優れた才能(生まれつき優れた才能を備わった人物)のこと。努力では至らないレベルの才能を秘めた人物。
「天才とは1%の霊感(ないし閃き)と99%の努力」(エジソン)
「天才は狂気だ」(ロンブーソ、犯罪精神医学者)
「狂気」とは、常軌を逸脱した精神状態。

「創造とは、人が異質な情報群を組み合わせ統合して問題を解決し、社会あるいは個人レベルで、新しい価値を生むこと」
(高橋誠/日本創造学会・元会長・元理事長)

「認知的脱抑制」脳内における情報のフィルター機能の低下

 

 

(スライドをクリックすると拡大します)

性格:知・情・意/認知・情動・情動を総合した個人の特徴で、「個性」として表されます。
人格:性格と同義であるが、日本では「善悪」を含む場合あり、“Personality”とも代用。
気質:先天的な特性・傾向。

Big Five神経症外向性開放性調和性誠実性
1960-1990年代に米国にて発展した性格分類法
当院ではNEO-FFIにて検査実施

 

(スライドをクリックすると拡大します)

性格特性は特定の言葉や行動と相関します

(スライドをクリニックすると拡大します)

分裂気質 :細長型 、静か、控えめ、真面目、(敏感性と鈍感性)
躁うつ気質:肥満型 、社交的、親切、温厚、(循環気質)
粘着気質 :闘士型(筋骨型)、几帳面、熱中・興奮、頑固 (Ernst Kretschmer)

人格障害:平均または価値基準より偏りが著しい者(後述)。
プラスの場合、天才や偉人も含まれます。

人格変化:主に統合失調症により、病前の人格が低下する。 抑制低下、洞察力低下、固執、平板化など。
加齢や認知症にては、病前の人格が先鋭化する。易怒性、頑固、猜疑心など。

 

(スライドをクリニックすると拡大します)

エネルギー水準(躁的因子)
人格水準(年齢に応じた日常・社会生活への適応)

(スライドをクリニックすると拡大します)

 

神経発達
運動機能
言語発達
行動特徴
社会適応
精神症状
環境要因

 

(スライドをクリニックすると拡大します)

「精神病質」

人格異常のうち、その異常性に自ら悩む者、または社会を悩ます者 (Schneider, k. 1923 )。

発揚型(気分高揚型):快活・現実的、世話好き・楽天家。
抑うつ型:絶えず面ぐるしい気分を抱き、人生を悩んでいる者。
自信欠乏型:小心で、身体・社会的に自信なく、不全感が強い。
過信型(熱中型):理念に関する優格観念に支配され、のめり込み、貫徹しようとする。
顕示型:自分を実際以上に見せかける者。
気分変動型:不意にイライラしたり落ち込んだりする者。
爆発型:些細な原因から興奮、激しやすい短気な者。
情性欠如型:同情、後悔、良心、恥、道徳心のないハードボイルド。
意志欠如型:すぐに影響され、誘惑されやすい者。
無力型:記銘力・集中力低下に悩み、離人症を訴える者。

 

(スライドをクリニックすると拡大します)

「パーソナリティ障害」

A群、奇異型 (odd type)
   妄想性(猜疑心)、統合失調質(孤立的)、統合失調型(風変わり)
風変わりで自閉的で妄想を持ちやすく奇異で閉じこもりがちな性質を持ちます。

B群、劇場型 (dramatic type)
   反社会性(非行、犯罪)、境界性(後述)、演技性(自己顕示)、自己愛性(特権意識)
感情の混乱が激しく演技的で情緒的なのが特徴的。ストレスに対し脆弱で、他人を巻き込む ことが多いです。

C群、不安型 (anxious type)
   回避性(社会不安)、依存性、強迫性(完璧主義)
不安や恐怖心が強い性質を持ちます。周りの評価が気になり、それがストレスになります。

 

(スライドをクリニックすると拡大します)

いわゆる「境界例」とは

20世紀初頭より「精神病」「神経症」の中間に位置づけられる疾患群と認知されました。
DSM-Ⅲ(1980年)より「統合失調型人格障害」「境界性人格障害」へ分類されました。

 

(スライドをクリニックすると拡大します)

「境界性パーソナリティ障害」

全般的な気分対人関係自己像の不安定さ著しい衝動性のパターンで、成人期早期に始まり、種々の状況で明らかになる。
境界性パーソナリティ障害の診断基準項目(比較的疾患特異的な精神症状)は9項目あり、そのうちの5が満たされると診断を考慮する。

1. 実際のまたは想像上の見捨てられる体験を避けようとする懸命の努力。但し、5.の自殺、自傷行為を含めないこと。
2. 過剰な理想化と過小評価との両極端を揺れ動く特徴をもつ不安定で激しい対人関係の様式。
3. 同一性障害:著明で持続的な自己像や自己感覚の不安定さ。
4. 衝動性によって自己を傷つける可能性のある領域の少なくとも2つにわたるもの。
例えば、浪費、セックス、薬物常用、万引、無謀な運転、過食。但し、5.に示される自殺行為や自傷行為を含まない。
5. 自殺の脅かし、そぶり、行動、または自傷行為の繰り返し。
6. 著明な感情的反応性による感情的な不安定さ (例えば、一過性の強烈な気分変調性障害、焦燥感や不安、通常2-3時間続くが、2-3日以上続くことは稀)。
7. 慢性的な空虚感、退屈。
8. 不適切で激しい怒り、または怒りの制御ができないこと (例えば、しばしばかんしゃくを起こす、いつも怒っている、喧嘩を繰り返す)。
9. 一過性の,ストレスに関連した妄想的念慮,もしくは重症の解離症状

対人関係の障害(対人関係が不安定で自己同一性が不確定)
行動コントロールの障害(衝動的行動が多いこと)
感情コントロールの障害(感情不安定で怒りが強いこと)
の3種に分類されるという見解が示されている。

 

(スライドをクリニックすると拡大します)

「サイコパス」

フランスのPinelは「怒り発作」などの異常行動を繰り返す「妄想なき狂気」(1801)を記述しました。
イギリスではPrichardが「背徳症候群」(1853)を提示しました(「背徳」とは、品位と作法に適った振る舞いでないという意味)。これは自己制御障害や行動異常に着目し「社会病質sociopath」に通じました。
19世紀後半になると遺伝的特徴や体質的異常ゆえとするベルギーのMorelやフランスのMaganによる「変質論」へと展開されました。
そして、イタリアのLombrosoは「生来性犯罪者説」を提唱しました。

「サイコパス psychopath」はこれまで「精神病質人格(Schneider,K.1923)」「人格異常の中で、その異常性に悩むか、社会を悩ますもの」と混同されてきました。

しかし、Robert Hare (1980) の実証的研究により一新されました。「良心の呵責を覚えず、感情に奥行ないため、他人を思いやることができない。利己的で、自分の利益を優先にする。周囲の人々と長期的に友好な関係を築けず、結果的に集団や社会から排除されることが多い」と定義されています。

(スライドをクリニックすると拡大します)

 

“Dark Triad”

「悪の気質」犯罪や社会的な苦痛を生じ、組織に重大な問題を引き起こす恐れある

Narcissism
誇大性、自尊心、利己的、共感の欠如

Psychopathy
継続的な反社会的行動、衝動性、利己主義、無反省

Machiavellianism
対人操作、搾取、道徳観に対する冷笑的無視、自己中心や欺瞞

 

(スライドをクリニックすると拡大します)

 

 

(スライドをクリニックすると拡大します)

 

〒104-0061 東京都中央区銀座5-1-15-5階

  • 銀座泰明クリニック
  • facebook
  • Twitter
  • Twitter
ページ
トップ
ツールバーへスキップ