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摂食障害~美しさと自分らしさ

イライラしたり落ち込んだりしている時に甘い物を食べると一時は気が休まりますが、人によっては食べ過ぎてしまい、食べてしまったという自責感と太りたくないという恐怖感から嘔吐したり下剤を用いたりすることがあります。いわゆる過食症です。これは逆に食べられなくなってしまう拒食症と交互に生じやすく、合わせて摂食障害と呼ばれ、若い女性に多く生じます。摂食障害は重くなると体重の増減も来たすため容姿にまつわる悩みと密接に関係します。

女性は思春期になると自分の容姿に強い関心を持つようになります。「綺麗になりたい、美しくなりたい」という願いは古今東西、共通しており、女性の本能とも言えるでしょう。年頃になり異性からの関心を集め、自分の中でも自信を確かにするために必要な価値観と言えるかもしれません。美しさの基準は地域や時代により異なりますが、現代社会では一般的に痩せた女性が美しいとされています。日本でもモデルやアイドルと呼ばれる女性はかなり痩せており、医学的な基準からすると痩せ過ぎではないかと心配になる程です。このため多くの女性がダイエットやエステなどに多くの時間と労力、多額のお金も費やしているのです。

 

 

 

 

しかしこの価値観に影響され過ぎると摂食障害に陥ってしまいます。私が診療している患者さんでも、十分に痩せて綺麗に見えるのに、「未だ太っている」と悩み、自己嫌悪を覚えている方が大勢いらっしゃいます。体重が45kg以下になっても太っていると思い、40kg以下、35kg以下になる方もいらっしゃいます。当然ながら、月経は停止し、疲労感や倦怠感も覚えていらしているのに、ご本人としては気丈に振る舞い、「まだまだ」とおっしゃいます。このように摂食障害になられる女性は、元々、頑張り屋思い込みの強い方が多いようです。専門的には強迫的な性格とも言い「ねばならない」「すべき」という考え方をしがちです。

このような性格は遺伝的に決まった気質のこともありますが、養育環境の中で形作られることもあります。殊に両親・母親との関係は重要で、幼少期無条件で「可愛いね、愛しているよ」というメッセージを与えられるかどうかが、思春期以降の対人関係自尊心の形成には欠かせないようです。不幸にしてそのような愛情に恵まれないと、他人を信頼できず、自分にも自信が持てず、情緒不安定な性格になってしまいます。これは後から考え直したり思い込んだりしても、なかなか身に付くものではなく、まさに「心を育む」ことにより形作られるものと言えます。

また「無条件」にということが大事で、特に昨今の少子高齢化・核家族化した家庭ではお子さんへ過保護・過干渉となってしまうことが少なくなく、ともすると幼稚園・小学校の頃から習い事やお受験といった形で支配・束縛してしまうことになり、幼少期こそ従順にしていても、思春期から反抗したりしはじめ、女の子の場合は摂食障害に至ることもあるのです。ついては両親や世間の価値観に振り回されず、自分らしくあるがままに、生きていけることが望まれます。

〒104-0061 東京都中央区銀座5-1-15-5階

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